血管の健康状態をあらわす指標として「血管年齢」というものがありますね。血管の老化の進行具合を意味しているわけですが、実は「血管は見た目の若々しさや健康状態に影響する」のです!
皆さんの周りにも、年齢の割に若く見える人がいるのではないでしょうか?
こうした方々は血管年齢が実年齢よりもだいぶ若いはずです。そこで今回は、血管の老化が見た目や健康状態にどのように関わってくるのか?さらに、血管が老化する原因と血管年齢を下げるために必要な事について解説します。
血管について
まずは血管について解説していきます。
血管は「外膜・中膜・内膜の三層構造」になっていて、外膜は血管そのものを保護し、中膜は血管の圧力を調整、そして内膜は血液をサラサラに保つ重要な役割をしています。
しかし、加齢とともに血管は硬くなり、老化してしまいます。また、戦後の食の欧米化や、運動不足によって血管の老化速度が早まっています。
そんな血管が老化していくと僕たちの体にどのような影響をもたらすのでしょうか?
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血管が老化するとどうなる?
血管が老化していくと、血流が悪くなってしまいます。血流が悪くなると酸素や栄養が全身に行き届かなくなり、疲労物質も蓄積されてしまいます。
その結果、「肩こりや腰痛、むくみ、冷え、自律神経の乱れ」といった、様々な体の不調が現れるようになるのです。慢性的な血行不良は病気のリスクも高めてしまいます。
もう少し細かく説明すると、血管の老化によって血管の壁がダメージを受け、徐々にもろくなっていきます。 このようにしてダメージを受けた血管は、「脳出血・脳梗塞・心筋梗塞」などの重大な病気を引き起こす原因となってしまうのです。
それではここからは、血管が老化する原因について解説していきたいと思います。
血管が老化する原因
加齢
加齢とともに血管は老化していきます。つまり、血管の老化を食い止める方法はないので、いかに老化のスピードを緩やかにしていくかがポイントになります。一般的には40~50代から血管の機能が衰えてきます。
運動不足
運動不足も血管の老化が進む原因のひとつです。運動不足によって血行不良が起こるために、血液もドロドロになっていき、血管そのものも老化していくのです。さらに運動不足は肥満や高血圧を招き、血管の状態を悪化させてしまいます。
ストレス
日々ストレスを感じることは、血管の老化を進行させます。過剰なストレスを受け続けると交感神経が刺激され、自律神経のバランスが崩れて、血圧の上昇・血液の循環の悪化を招き、血管に負担がかかるのです。
睡眠不足
血管は寝ている間に修復・メンテナンスが行われます。
そのため、睡眠不足や床やソファーで寝てしまうなどして睡眠の質を下げてしまうと、血管が十分に修復されなくなってしまいます。質の良い睡眠や適切な睡眠時間を確保することで「血管を若返らせる」ことができるのです。
活性酸素
活性酸素は血管を傷つけ、血管の老化を進行させます。喫煙、ストレスなどいろいろな要因で活性酸素は体内に増加します。トマト・にんじん・かぼちゃ・ほうれん草などの緑黄色野菜に含まれる抗酸化成分を摂取して活性酸素が増えるのを防止しましょう。
食生活
塩分・糖分・脂質の多い食事は、血流悪化や血液そのものをドロドロにさせて、血管年齢を上げる原因になります。
ファーストフードやインスタント食品・スナック菓子などを日常的に摂取している方は、血管年齢が高くなり健康状態に影響がでてきますので、血管年齢を下げてくれる食べ物を意識的に摂取していきましょう。
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ここから、血管を若返らせてくれる成分・食べ物をご紹介していきます!
血管を若返らせる成分と食べ物をまとめました!
ビタミンC
ビタミンCは、ビタミン類の中でも高い「抗酸化作用」を持ち、血管年齢を下げる効果が期待できます。動脈硬化予防にも効果的とされているビタミンC。そんなビタミンCを多く含む食品は、「アセロラやレモン、いちご、グレープフルーツ、オレンジなどのフルーツ類」に特に多く含まれており、「ピーマンやさつまいも、小松菜などの野菜」からも摂取が可能です。
ビタミンD3
ビタミンD3には傷ついた細胞の修復効果があるため、血管の酸化ダメージを減らす効果が期待できます。通常、循環器系の細胞が傷つくと修復は難しいのですが、ビタミンD3にはそれが可能です。
「べにさけ、さんま、うなぎ、さば、卵黄、牛乳」に多く含まれています。
たんぱく質
たんぱく質は血管を強く若返らせるためには欠かせない成分です。 「鶏むね肉・ささみ、魚、卵、乳製品、大豆製品」などに多くのたんぱく質が含まれています。
クエン酸
疲労回復に効果があることで有名なクエン酸ですが、実は血液の酸化を抑えて血流を良くする効果も期待できます。「酢や梅干し、レモンなどの柑橘類」に多く含まれています。
カリウム
しなやかな血管づくりのために必要な成分がカリウムです。カリウムが多く含まれている食品には、「大豆、大豆製品、いも類、かぼちゃ、ほうれん草、モロヘイヤ、枝豆、海藻類、リンゴ、バナナ」などが挙げられます。
ポリフェノール
「コーヒーや緑茶」などに含まれていることで有名なポリフェノールは動脈硬化の進行を抑えるといわれています。血管の健康のためには、食事や休憩中の飲み物は、コーヒーや緑茶、ウーロン茶がおすすめです。
血管年齢を若く保つために注意するべきこと
血管年齢を若く保つには、いくつか注意しなければいけないことがあります。
たんぱく質を多く含む肉類を摂取しようと書きましたが、肉に含まれる「動物性脂肪」は、中性脂肪やコレステロールといった血液をドロドロにする原因物質が含まれるため、主菜として食べすぎることは避けましょう。
また、アルコールのとりすぎは中性脂肪を増やしてしまいますし、お酒といっしょに食べるおつまみも、脂質やカロリーをオーバーしてしまう原因となります。
晩酌をする習慣がある方も、夜遅くにお酒を飲んだり食事をしたりするのは、コレステロールや中性脂肪を増やすため、食事・飲酒ともに適量を早めの時間にとることが大切です。
血管を丈夫にするには
続いては、血管そのものを丈夫にしていくために必要なことをまとめました。特別難しいことはないのですが、「継続」することがどれも大切です。血管へのアプローチは、同時に僕たちの体の健康に繋がっていきますので、ぜひ日常生活に取り入れてみてください!
ウォーキング
毎日10分、しっかり歩くだけで血管が広がり、血液がサラサラになります。
ウォーキングによって心肺機能が高まり、血液の拍出量も増えていきます。そうなると、全身の血管に多くの血液を送り出すことができるため、血管を太く丈夫にしてくれるのです。
日光を浴びる
ストレスを感じることは血管を老化させて動脈硬化を招く確率が高まります。そのため、ストレスを軽減させるために1日20分以上、日光を浴びることをおすすめいたします。日光を浴びることで幸せホルモン「セロトニン」が体内で分泌されて、ストレスを軽減させてくれます。昼間は紫外線が強いので朝日を浴びると良いですよ。
ストレッチ
血管を取り巻く筋肉を柔軟にさせることはとても大切で、そのためにストレッチが効果的です。特に太ももやふくらはぎなど太い血管が通っているところを伸ばすストレッチがおすすめなので、この後、どこでも簡単にできるストレッチ方法をご紹介いたします。
筋トレ
「適度な筋力トレ」を行うことも、強い血管をつくる運動習慣としてお勧めです。
ストレッチ同様、約70%の筋肉が集まっている下半身を鍛えることが効果的です。 足の筋肉には、上半身に血液を押し出すポンプのような働きがあるため、下半身を鍛えると血液がスムーズに流れやすくなります。
1回30秒!血管を若返らせるストレッチをご紹介
血管を丈夫にするために行うストレッチのメインは「前もも」と「ふくらはぎ」。なぜなら、この2箇所には太くて大きな血管が通っており、大きな筋肉があるからなのだそうです。
前ももストレッチ(大腿四頭筋)
僕たちの体の中で特に大きな筋肉である「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」。大腿四頭筋がある脚の付け根からひざの上にかけて太い血管「大腿動脈(だいたいどうみゃく)」が通っていますので、この筋肉をストレッチして血管を丈夫にさせていきましょう!
- 壁に手をついて立ち、片方の脚を膝から手前に曲げてきて、お尻に近づけるように手で持ちストレッチをしていきます。
- 太ももの前側が伸びていたら大丈夫です。
- 両脚20秒✖︎3セットやりましょう。
ふくらはぎストレッチ(下腿三頭筋)
- 伸ばしたい側の足を後ろにして、前後に足を開きます。
- 両足ともに、かかとは床につけておきましょう。
- 後ろにした足の膝を伸ばしたまま、前に出している足の膝をゆっくりと曲げていきます。この時も、かかとは床につけておきましょう。
- 痛気持ちいい程度の力加減で30秒伸ばしましょう。
- 反対側の足も同様に行いましょう。
かかとの上げ下げ
- 立ったまま足を軽く開き、背筋を伸ばします。
- 両足のかかとをゆっくりと上げ、つま先立ちになります。
- かかとに体重をかけてゆっくり下ろし、かかとを床すれすれのところで止めます。
- かかとは地面につけないようにしながら、再度かかとをゆっくりと上げて、つま先立ちになります。
- 同じ動作を3セット行いましょう。
まとめ
血管年齢を下げるために必要な運動や食べ物はお分かりいただけたでしょうか?
血管を意識することで、見た目が若々しくなり、同時に体の健康状態も向上していきます。血管を丈夫にさせる為の行動や必要な食べ物に特殊なものはありません。どこでも運動が出来、手に入りやすい食材なので、ぜひご自身の日常生活に取り入れて健康な体を手に入れてください!