ふとした動作で突然激痛に襲われるぎっくり腰。
朝、顔お洗おうとした時や床に落ちているものを拾おうとした時、洗濯物を干そうとした時やくしゃみをした時など、日常のあらゆる場面でぎっくり腰は引き起こされます。
実際にぎっくり腰を経験された方はお分かりかと思いますが、「この痛みはいつまで続くの?」と不安になるぐらいの激痛です。
今回はそんなぎっくり腰の痛みがいつまで続くのか?痛みが起こった時にはどうすれば良いか?少しでも回復を早めるためにはどうすれば良いかなど、ぎっくり腰に役立つ情報をお届けいたします!
ぎっくり腰ってどんな状態?
ぎっくり腰とは、日常生活で腰の筋肉や椎間板に負担がかかることで、突然激痛や不快感を感じる症状のことを言います。正確な医学的用語ではなく、一般的な俗称の一つで「魔女の一撃」とも呼ばれます。
ぎっくり腰は、腰を急にひねったり、重いものを持ち上げたりするなど、腰に負担がかかった際に発生することが多いです。症状としては、腰の痛みやこわばり、動きの制限、立ち上がりや歩行が困難になるなどです。
また、中腰で腰を捻った際に「仙腸関節」がねじれて、炎症を起こしたことで痛みが起こります。
ぎっくり腰は、その時によって痛む箇所が違います。腰のどの部分が痛むか、原因がどこにあるかは人によって、そのケースによって異なります。
特に痛めやすい箇所としては、腰部と仙腸関節背筋です。腰や背中など同時に複数の箇所を痛めることもあります。
※仙腸関節とは?
仙腸関節とは、骨盤を構成する、仙骨(せんこつ)と腸骨(ちょうこつ)の間にある関節です(下図の赤ライン部分)。 仙腸関節は中腰の時が一番注意が必要で、中腰姿勢での作業によって、仙腸関節がねじれて痛みを誘発することが多いです。
ぎっくり腰の原因は?
筋肉疲労
多くの場合、ぎっくり腰は「慢性的な筋肉疲労」から引き起こされます。
この筋肉疲労は仕事などで蓄積されていくのですが、栄養バランスの乱れから、寝ても寝ても疲れが抜けなくなり筋肉疲労となって体に現れる場合もあります。
睡眠、運動不足
睡眠不足で疲労がたまっている、運動不足で筋肉の血流が悪くなっている、冷え性で筋肉の柔軟性が不足してしまっているなど、さまざまな不調がぎっくり腰を引き起こす要因になります。
骨格の歪み
長時間のデスクワークや立ちっぱなしの姿勢でいることで徐々に骨格の歪みが発生します。特に骨盤の歪みによって、その周辺の筋肉への負担が高まりやすくなりぎっくり腰を引き起こします。
ストレス
実は日常的なストレスもぎっくり腰を引き起こすリスクを高めることがあります。
ストレスを感じていると血流が悪くなるため、筋肉も硬直しやすくなります。その状態で、重いものを持ち上げたり、中腰で作業していると、腰への負荷が大きくなり、ぎっくり腰を発症しやすくなります。
ぎっくり腰はいつ治るの?
ぎっくり腰は安静にしていれば自然に回復することが多いですが、重症の場合には整体やマッサージなどの治療が必要となることもあります。
軽度の場合
腰にやんわりと痛みを感じる程度で、ご自身での歩行も可能な軽度のぎっくり腰の場合は、無理に体を動かさずに患部に湿布を貼るなどすれば「7~10日で改善する」ことが多いです。(もちろん仕事内容などでの個人差はあります)
安静にしているだけでも痛みは緩和されますが、筋肉の硬直は残ります。そのままにしていると、またいつ痛みを引き起こしてしまうか分からないので、再発予防のために整体やマッサージを受けて筋肉をほぐしてもらいましょう!日常的なストレッチなども大切です!
また、軽度、中度、重度全ての方に当てはまることですが、もしも骨盤や体の歪みが原因でぎっくり腰を引き起こしてしまった場合は、しっかりと歪みを整えておくことが根本的な解決になります。
中度の場合
痛みが強く、患部に少し熱感もあり、ゆっくりであれば歩行が可能な中度の場合は、まずは安静にしましょう。2~3日で痛みが多少和らいできたら、ストレッチをしていきます。ストレッチを始めて3~7日ほどでさらに痛みが和らぎますのでウォーキングや軽いジョギングなどで体を動かして全身の血流を良くしていきましょう。
昔は、ぎっくり腰は安静にするのがベストな改善方法でしたが、最近の研究では多少体を動かした方が血流が良くなって回復が早まることが分かっています。中度の場合は「2週間ほどで改善」することが多いです。軽度の時と同様、痛み発症から少し和らいできた段階で整体やマッサージにいくとさらに回復は早まります。
重度の場合
重度のぎっくり腰は歩行はおろか、立つことすら困難になります。患部の筋肉は炎症があり、痛みも強いため、寝転んだ状態でまずは冷やしましょう!
ビニール袋に氷水を入れて冷やしても良いですが、地肌に直接長い時間当てていると凍傷の可能性もあるので薄いタオルを当てて冷やすようにしてください。氷水でなくて冷湿布でもOKです。
よくありがちなNG行為として、温湿布で温めてしまうことがあります。温めてしまうと、より炎症が強くなってしまうので気をつけてください!
また、重度の場合は無理に体を動かしたり、さすったりすることも炎症がより強くなる可能性もあるので控えましょう!お風呂も湯船にはつからずにシャワーだけでしばらくは済ませてください。
痛みはあるけれども歩くことができるようになってきたら、整体やマッサージいって筋肉を緩めてもらいましょう。1回での改善は難しく、何度か通うことにはなりますが、再発を防ぐためにもしっかりとケアしてもらいましょう。
重度の場合は「完全に痛みがなくなるまでには約1か月」はかかると思ってください。
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いつから動いても平気?
ぎっくり腰のお客様からのよくある質問として、「いつから動いても平気ですか?」というものがあります。
基本的には軽度~重度まで痛みが強い急性期は、無理せず安静にしてください。安静時のおすすめの寝方は「 腰を軽く曲げて横向きに寝る」です。この姿勢は腰に負担がかからない楽な姿勢なので、できるだけこの姿勢で安静にしていましょう。
「少し痛みがおさまってきたな、歩くことはできる」と感じた時が動いても良いタイミングです。「無理すれば歩ける」という状態では回復が遅れてしまうので、もうしばらく安静にしていましょう!
ぎっくり腰の回復を早める方法
安静にする
ぎっくり腰の基本は安静にすることです。1日でも早く痛みを緩和させるためにも痛みの出る動作や腰への負担が強い長時間のデスクワークはできるだけ避けましょう。スポーツやジムでトレーニングをしている方は無理せず休むようにしましょう。
ただ、どうしても休めない仕事など安静にできないことのほうが多いかと思います。そんな時は少しでも腰が楽になる姿勢を見つけてください。こまめに体勢を変えたり、筋肉を硬直させないように体を少しでも動かしながら作業をしていきましょう!
冷やす or 温める
ぎっくり腰になったばかりの急性期では、筋肉に熱感があることが多いのでまずは冷やしていきましょう。熱感がおさまってきて、痛みが和らいできたら次は筋肉を温めて血流を良くしていきます。
血流が良くなると、筋肉が緩んでくるのでさらに痛みが和らいできます。熱感のある急性期に温めてしまうと、逆に炎症が強くなって痛みが増してしまうので気をつけてください!
必要以上に安静にしない
安静にすることは大切なのですが、必要以上に体を動かさずに安静にしていると、痛みはおさまりますが、筋肉の硬直がとれずに再発の可能性が高まってしまいます。
少し前にも書きましたが、昔は痛みがおさまるまで安静にしていることが正しいとされていましたが、現代では痛みが多少おさまってきたタイミングで軽めのジョギングなどで体を動かした方が筋肉の硬直もなくなりぎっくり腰の再発を防止できることが分かってきました。
整体&マッサージを受ける
急性期を過ぎて歩くことができるぐらいの痛みであれば、整体やマッサージで筋肉を緩めたり、体の歪みを整えてもらうことをおススメします!
そもそもぎっくり腰になってしまうのは疲労によって筋肉が硬直していたり、骨格の歪みによって腰に負担がかかっていることが原因です。
「からだメンテナンスfuan」では筋肉と骨格両面にアプローチをして、痛みや不調の起こりにくい体をつくることが可能です!
ぎっくり腰になってしまった方や、ぎっくり腰になりやすい方も多く診させていただいております。人によって痛みの原因は違いますので、その人に合わせた施術を心がけておりますので、痛みや不調にお悩みの方はぜひ足をお運びください!
日常生活で気をつけること
運動不足
分かってはいるけど、なかなか実践できないのが定期的な運動ですよね…。適度な運動は全身の血流を良くしてくれる効果があるので、仕事やストレスで硬直した筋肉を柔らかくしてくれます。
僕は週に1回の30分ジョギングでも十分に予防効果が期待できると思っています!未来の健康のためにも、重い腰をあげて運動を始めていきましょう!
肥満
肥満の場合、体重が重いことで、体のさまざまな部位にその重さがかかってしまうため、それが負荷となり、ぎっくり腰を引き起こす場合があります。
痩せている人と同じ動作をした場合に、腰に対する負担はかなりの違いがでるのです。ちょっとした負荷をかけるような動作でも、ぎっくり腰になりやすい傾向があるため、できるだけ肥満にならないような生活を送るようにしましょう。
睡眠
まず睡眠不足は精神的なストレスが増加してしまいます。精神的なストレスは全身の血流を悪化させるので筋肉の硬直に繋がります。
また、睡眠不足によって疲労回復がなされず、徐々に疲労が蓄積されて筋肉がさらに硬直してしまいます。寝起きにぎっくり腰をやってしまう方の多くは慢性的な睡眠不足が原因です。
1日6~7時間はしっかりと睡眠時間を確保するようにしましょう!
ストレッチ方法
ここからは、ぎっくり腰の急性期が過ぎてから行う、改善のためのおすすめストレッチをご紹介いたします。予防のためにも効果的なストレッチも併せてご紹介いたしますのでぜひ参考にしてください!
背中のストレッチ
- 椅子に腰掛けて足を肩幅くらいに開き、両手を組み合わせて体の前で組みます(上イラスト参照)
- 息を吐きながら背中をまるめて目線はお腹の方に向けます。(怒った猫のように背を丸めます)
- 息を吸いながら両手を背もたれの方に持っていき、胸を反らせます。
- 背中の筋肉を意識しながらゆっくりと伸ばしていきましょう。
※背中を丸めて伸ばす際は30秒伸ばしましょう。
腰のストレッチ
- 床にうつぶせになり両腕を顔の下において、3分ほどゆっくりと深呼吸をしてリラックスをします
- 枕やクッションなどの柔らかいものを胸の下へいれ、顔を起こし肘から下を床につけて、上体を少々床から持ち上げた状態で1分深呼吸します
- 腕に力をいれてゆっくりと肘を伸ばしていき、痛気持ち良いと思えるところまで少しずつ上体を上げていき、腰を反らす。その体勢を5秒から10秒の間キープしたあと、2)の体勢に戻す
- 3を10回繰り返す
※上半身を起こした際の痛みが強い場合はやらないようにしてください。
股関節(ぎっくり腰予防に効果的)
- 背筋を伸ばして軽く腰を落とし、つま先をやや外側に向け膝の向きと揃えます
- 手を内ももに添えます
- 右の肩を体の前方に持ってくるように胸部を捻りながら、右手で右の内ももを外に向けて押します。股関節が伸ばされているのを感じながら30秒伸ばします
- 左も同様に行い、3セットを目安にしましょう
何度もぎっくり腰を経験されている方へ
年に1度はぎっくり腰になるなど、ぎっくり腰を繰り返してしまう方は以下のことを注意してみてください!「痛みやすい体質だから」と話されている方もおりますが、ぎっくり腰を何度もやってしまう方にはそれなりの原因が存在します。以下のことを気をつけて日常生活を送ると、ぎっくり腰の予防になりますのでぜひ参考にしてください!
- 長時間同じ姿勢を続けない
- 中腰などの体制で立ち上がる時に気をつける
- 重たい荷物を地面から勢いよく持たない
- 週に1度はジョギングなど軽い運動を心がける
- くしゃみをするときは気を付ける
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まとめ
いかがでしたか?
ぎっくり腰はすぐに良くなるものではありませんが、対処方法次第では回復が早まります。基本的には日常生活で気をつけることを知っていれば未然に防ぐことも可能なので、今回の内容をぜひ参考にしていただければと思います。