今回取り上げるのは「ぎっくり腰」です。
1度は経験されたことがあるかと思いますが、突然起こる症状なため、いざぎっくり腰になった時にどうすれば良いか分からないのではないでしょうか?
痛みで動くこともできないが、整体やマッサージを受けに行くべき?
それとも痛みが引くまでこのまま安静にするべき?
そんなお悩みを解消させるために、ぎっくり腰になった時の対処法や予防方法をまとめます。
まだぎっくり腰を経験されたことがない方も、ほんとにいつ起こるか分かりません。そんな非常事態に備えて、知識を得ていただければと思います。ぜひ最後までお読みください!
(2023/9/13 更新)
ぎっくり腰とは?
ぎっくり腰は、くしゃみをした時や腰をひねったり、中腰で重いものを持ったりした時に腰部に激痛がはしって起こる症状。
正式名称は「急性腰痛」です。欧米ではその激しい痛みから「魔女の一撃」とも呼ばれます。主な症状は以下の通りです。
(ぎっくり腰の症状)
- 突然の激痛で歩くのも困難
- 腰に違和感を感じていたが、時間の経過と共に痛みになってくる
- 咳やくしゃみをしただけでも痛みを感じる
- 一度横になると寝返りも打てないほど痛い
ぎっくり腰の原因は?
ぎっくり腰の原因は1つではありません。大きく分類すると
- 筋肉の硬直
- 筋力低下
- ストレス
上記3つが挙げられます。1つ1つ解説をしていきます!
筋肉の硬直
デスクワークなどによる長時間の同一姿勢、もしくは悪姿勢の繰り返しによって起こる「全身の筋肉の硬直」はぎっくり腰の大きな原因です。
この筋肉の硬直状態のまま重い荷物を持ち上げたり、中腰で作業をしていると、いつもは耐えられるような負荷であっても、身体が対応しきれず、腰の筋肉や関節を痛めてしまうのです。
よく、ひねるような動作で痛めることが多いので「腰を捻挫する」ようなイメージです。
筋力低下(運動不足)
30代以降でぎっくり腰を経験される方が増えてくるのは「筋力低下」が原因として挙げられます。
加齢と共に運動量も低下してくるため、腰を支える筋肉が弱くなります。
昔は耐えられた作業や動作でも、筋力が低下していることで、身体が耐え切れずにぎっくり腰を引き起こします。
ストレス
ストレスとぎっくり腰に関係性があるのか??と思うかもしれませんが、実はストレスもぎっくり腰の発症率に大きく関わってくるのです。
身体的、もしくは心理的なストレスを慢性的に感じているとホルモンバランスの乱れなども関係して、全身の「血行不良」が起こってきます。
血行不良が続くと、筋肉が徐々に硬直し始めるため、ぎっくり腰が起こりやすいような体質に変化していってしまいます。
どのような時に起こりやすい?
では、実際にぎっくり腰がどのような時に起こりやすいのかまとめていきます。ぎっくり腰を何度か経験されている方は、以下のような動作には十分に注意するようにしましょう!
また、まだ経験したことがない方は、知識としてしっかりと理解しているだけでも発症率を下げることに繋がりますのでぜひチェックしておいてください。
- 長時間座りっぱなしでいた後、急に立ち上がった時
- 洗濯物を干す際に、かがんだ状態から身体を起こした時(特に、身体をねじるような動きをした時)
- 顔を洗っている時やお風呂掃除で中腰で作業をした後、急に体勢を変えた時
- 慢性的にストレスを感じている時
痛みがでたらまずは何をすれば良い?対処法をまとめます
痛みが強く動くこともできない場合
脂汗がでるなど動くこともできないほどの痛みであれば、筋肉の炎症が疑われますので無理にストレッチをしたり、マッサージをして患部を刺激しないようにしてください。
ベッドやソファーでそのまま横になって「深呼吸」をして安静にしていましょう。
(横になる時の体勢について)
ぎっくり腰の時は仰向けで寝ると痛みがでます。そのため、横向きになって膝と膝の間丸めたバスタオルをはさみ、膝が90°程度曲がった状態で寝るのが良いです。
また、痛みがでている方を上にして横向きになり、抱き枕などを抱いて寝るのもオススメです。
痛みがでたその日は、整体やマッサージにも行かないようにしてください。施術を受けると筋肉の炎症が強まり、「痛みが増してしまう可能性」もあります。
もしもコルセットなどがご自宅にある場合は、コルセットの装着もおすすめします。そして、湿布があるようであれば、患部に貼って痛みを抑えましょう。
この時、「温湿布」を貼ってしまうと患部の炎症が強まってしまうので注意しましょう!
痛みがあるが歩くことはできる場合
ある程度自由に動くことができる場合は、整体やマッサージ店に行って身体のケアをしていただくことをおすすめします。
また、セルフストレッチも大切です。この時に1つ注意していただきたいのが、ストレッチをした時に、気持ちがいい、楽になるという場合は、そのままストレッチをしていただくのは構わないのですが、ストレッチをした時に、痛みを感じたり、ストレッチ後に痛みが余計に強くなる場合には控えるようにして整体師などに任せるようにしましょう。
お風呂に入っても大丈夫?
ぎっくり腰が起こって2~3日が経過して少しずつ痛みが治まっているようであれば、入浴によって硬直した筋肉が和らいだり、全身の血行が良くなることで症状を抑えていくことができます。
ゆっくりと湯船に浸かり、回復に努めましょう!
ただ、痛みで歩けないほどの状態であれば、患部が炎症を起こし「熱」をもっているはずなので、その場合はお風呂に入って血行が良くなることで痛みが強くなる可能性があります。
「腫れがある」「患部が熱を持っている」場合は入浴を控えましょう。
冷やした方が良い?
痛みがでた直後の急性期では、患部に炎症が起きているので冷やすことで炎症を抑えて回復を早めることができます。
この時、保冷剤を使って冷やしたり、氷を直接当てて冷やすことはしないようにしましょう。炎症を抑えるには「約0℃」ぐらいがベストだと言われているので、保冷剤や氷を直接当てるには温度が低すぎるのです。
冷やす際におすすめなのが「氷嚢(ひょうのう)」です。
氷をビニール袋などに詰めて、患部に当てて冷やすようにしましょう!
どのくらいで痛みが治まる?
痛みが出た時の重症度にもよりますが、ぎっくり腰のほとんどは、「一週間~二週間程度」で痛みが治まってきます。
もしも、2週間経過しても痛みが治まらない、もしくは下半身にも痛みやしびれと言った症状が現れている場合は、「椎間板ヘルニア」などの疾患があることもありますので注意が必要です。
その場合は整形外科でレントゲンなどを撮ってもらうことをおすすめします。
整体やマッサージサロンに行ってもいいの?
急にぎっくり腰になったお客様からの電話で
「腰をやってしまったのですが、今から診てもらうことは可能ですか?」
という問い合わせを受けます。
これに関しては、まず「動けないレベルの痛み」であれば施術は受けずに、ご自宅で安静にしていてください。
この場合は、筋肉や靭帯などの損傷レベルが高くうかつに施術をしてしまうと余計に痛みが強くなってしまったり、腰を支える筋肉が緩み過ぎて立つこともできなくなってしまいます。
2~3日様子をみて、痛みが引き始めてきてから施術を受けるようにしましょう。
逆に、腰を痛めた直後でもある程度動くことが可能であれば、硬直した腰や腰周辺の筋肉を緩めたほうが早期回復に繋がりますので、お近くの整体サロンなどでケアを受けるようにしましょう!
日々の予防方法をお伝えします
ストレッチの習慣化が大事です
筋肉の硬直を防ぐために、日頃から「ストレッチ」を習慣化させて筋力に「柔軟性」を生み出していくことが重要だと思います。
1日5分でもいいので運動習慣を身につけましょう
運動不足や筋力低下がぎっくり腰の原因になります。
特に、一度ぎっくり腰を経験して何も対処しないでいるとすぐに再発してしまう可能性が高まります。そうならないためにも、1日5分でも構わないので身体を動かす習慣を身につけましょう!
たったの5分でも実はしっかりと筋肉を刺激して、筋力UPに繋げることができます。例えば、
「腕立て伏せ1分」+「腹筋1分」+「休憩1分」+「スクワット1分」+「背筋1分」
これだけでもかなりの負荷の運動になります。毎日継続していけば大きな効果を得ることができますよ。わざわざ外にでて走ったりする必要もないのでおすすめです!
ぎっくり腰になりかけることが多い時は?
日常生活において「このまま動かすとぎっくり腰になるかも…」
という瞬間がありませんか?
これは、ぎっくり腰に限らず身体のどこかが痛くなりそうだと感じた時は、「生活習慣」を見直す必要があります。
運動不足な日々が続いていないか?しっかり睡眠をとって疲労回復できているのか?悪姿勢で長時間作業していないか?
毎日5分の筋トレや朝早く起きて10分程度のウォーキングをする。
お風呂上りに簡単なストレッチをする習慣をつける。
ぎっくり腰は日々の生活の負担が積み重なり発症することが多いので、生活習慣を見直すだけでも「予防」することができますよ。
日常生活でのカラダの使い方に気を付けましょう!
ぎっくり腰を起こしやすい方に共通していることは、腰に負担がかかりやすい動作を無意識で行っていることです。
これまで何人もぎっくり腰のお客様を対応してきた中で、「もっとこういう動作の工夫をしてください」と指摘をしてきたことをまとめていきます。
おそらく、これを読んで「自分も思い当たる…」と感じる方も少なくないかと思います。ぜひ今後の日常生活に生かしていただければ嬉しいです!
中腰になる時は膝も曲げる
例えば、洗顔をするときに中腰の体勢になるかと思いますが、腰だけを曲げる動作は腰を支える筋肉の大きな負担になります。
そのため、腰だけではなく「膝」も軽く曲げるようにして中腰の体勢をつくると腰への負担を軽減させることができます。
床から立ち上がる時は膝をつきながら
これも腰を痛めやすい方が共通して行っている動作です。床から立ちあがる際に、膝をつかずに勢いで立ち上がろうとして痛めてしまいます。
しっかりと膝を床について「膝を支点にして」立ち上がるようにしてください。
中腰になる時もそうでしたが、ぎっくり腰を予防するためのポイントは「膝の使い方」にあると個人的には考えています。
椅子に座る時は深く腰掛ける
自宅や職場で椅子に座る時間は多いかと思いますが、その際に「浅く」腰掛けてしまうと徐々に骨盤を後ろに倒して、浅く腰掛けたまま背中を背もたれに倒すような体勢になりますよね?
この骨盤を後傾させるような姿勢は腰への大きな負担になるため、長時間この姿勢を続けて、急に立ち上がると激しい痛みに襲われる確率が高まります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ぎっくり腰は対処法を誤ると回復が遅れてしまったり、余計に悪化してしまうこともあります。
瞬時の対応がとても大切になってきますので、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください!
また、ぎっくり腰をやってしまう方というのは日常的に身体への負担が大きいです。仕事での負担であれば、軽減させるのは仕事を変えない限り難しいかもしれません。
ただ、日常の何気ない動作の癖であれば意識をすれば変えていけることができます。
ぎっくり腰癖がつかないように、身体への負担が少ない動作を取り入れていきましょう!
関連記事はこちら↓